うつ病の家族への接し方|症状別の対応とサポート方法
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ご家族がうつ病になり、戸惑いや不安を感じていることと思います。
うつ病は、適切な治療と周囲のサポートがあれば、必ず回復に向かう病気です。
今回の記事では、
- うつ病の家族への接し方
- サポート方法
- 注意点
などをわかりやすく解説します。
うつ病の症状を理解する
まずは、うつ病の症状を正しく理解しましょう。
うつ病は、単なる気分の落ち込みではありません。
脳の機能障害によって引き起こされる病気です。
うつ病は、単なる気分の落ち込みではなく、脳の機能障害によって引き起こされる病気です。症状は多岐にわたり、個人差も大きいですが、主な症状としては以下のようなものが挙げられます。
精神的な症状
- 気分の落ち込み、憂うつ感
- 一日中、悲しい、寂しい、空虚な気持ちが続く
- 何をしていても楽しくない、喜びを感じない
- 涙もろくなる
- 興味や喜びの喪失
- 今まで好きだったことや趣味に興味がなくなる
- 人と会うのが億劫になる
- 性欲の低下
- 不安、焦り、イライラ
- 常に不安な気持ちがつきまとう
- 些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなる
- 落ち着きがなく、そわそわする
- 集中力、思考力、判断力の低下
- 集中力が続かず、仕事や勉強に集中できない
- 物事を考えるのが億劫になる
- 決断力が鈍る
- 自分を責める気持ち、罪悪感
- 些細なことを必要以上に後悔したり、自分を責めたりする
- 自分には価値がないと感じる
- 周りに迷惑をかけていると感じる
- 死にたい気持ち
- 死について考えることが増える
- 自殺願望が出てくる
身体的な症状
疲労感、倦怠感
常に体がだるく、疲れやすい
少し動いただけでひどく疲れる
朝起きるのがつらい
睡眠障害(不眠、過眠)
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める
眠っても熟睡感がない
日中、強い眠気に襲われる
食欲不振、または過食
食欲がなくなり、体重が減少する
逆に、過食になり、体重が増加する
味覚が変わる
体の痛みや不調
頭痛、腹痛、肩こり、腰痛など、体のあちこちに痛みや不調が現れる
原因不明の体調不良が続く
便秘や下痢
行動の変化
引きこもりがちになる
外出を避け、家に閉じこもりがちになる
人との交流を避ける
行動が遅くなる、または焦燥感から落ち着きがなくなる
行動が遅くなり、何をするにも時間がかかる
逆に、焦燥感から落ち着きがなくなり、常に何かをしていないと気が済まなくなる
飲酒量や喫煙量が増える
気分の落ち込みや不安を紛らわせるために、飲酒量や喫煙量が増えることがある
これらの症状は、個人差があり、また、日によって変化することもあります。
もし、これらの症状が複数当てはまり、日常生活に支障をきたしている場合。
早めに医療機関を受診することが大切です。
家族ができるサポート
話をじっくりと聞く
話を遮らず、共感しながら聞くことが大切です。
- 「つらいね」
- 「大変だったね」
など、気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。
話を聞く際は、批判や評価を避けます。
ただ受け止める姿勢を示しましょう。
休息を促す
無理をせず、ゆっくり休むように促しましょう。
家事や育児などを手伝いましょう。
負担を軽減することも有効です。
静かで落ち着ける環境を整えましょう。
リラックスできる空間を作りましょう。
受診を勧める
症状が改善しない場合は、医療機関への受診を勧めましょう。
受診に抵抗がある場合は、一緒に病院を探したり、付き添ったりすることも検討しましょう。
医師の説明を一緒に聞くことで、病状や治療方針への理解を深めることができます。
治療への協力
薬の管理や通院の付き添いなど、治療に協力しましょう。
薬の副作用や体調の変化に注意し、医師に報告することも大切です。
治療の効果を焦らず、長期的な視点で見守りましょう。
生活環境を整える
静かで落ち着ける環境を整えましょう。
ストレスを軽減しましょう。
規則正しい生活リズムを保てるように、サポートしましょう。
バランスの取れた食事や適度な運動を促しましょう。
心身の健康をサポートしましょう。
感情的な反応を避ける
イライラしたり、責めたりするのは避けましょう。
励ましや安易なアドバイスは、逆効果になることがあります。
感情的にならず、冷静に対応することを心がけましょう。
家族自身のケアも大切にする
睡眠や休息を十分にとりましょう。
無理をしないようにしましょう。
趣味やリフレッシュなど、自分の時間も大切にしましょう。
- 家族や友人
- 専門機関
などに相談しましょう。
一人で抱え込まないようにしましょう。
専門機関や相談窓口の利用
- 精神保健福祉センター
- いのちの電話
など、専門機関や相談窓口を利用しましょう。
家族会に参加するのもおすすめします。
同じ悩みを抱える家族と情報交換や交流をすることも有効です。
これらのサポートは、ご家族の状況に合わせて柔軟に対応することが大切です。
焦らず、ゆっくりと支えていきましょう。
接し方の注意点
励まさない
- 「頑張って」
- 「しっかりして」
などの言葉は、本人を追い詰めてしまう可能性があります。
安易なアドバイスをしない
- 「考えすぎだよ」
- 「気の持ちようだよ」
などの言葉は、逆効果になることがあります。
感情的に接しない
イライラしたり、責めたりするのは避けましょう。
一人で抱え込まない
家族だけで抱え込まず、専門機関や相談窓口に相談しましょう。
家族自身のケアも大切
うつ病の家族を支えることは、あなた自身の心身にも負担がかかります。
休息をとる
睡眠や休息を十分にとりましょう。
無理をしないようにしましょう。
自分の時間を作る
趣味やリフレッシュなど、自分の時間も大切にしましょう。
相談する
- 家族
- 友人
- 専門機関
などに相談しましょう。
一人で抱え込まないようにしましょう。
相談窓口
- 精神保健福祉センター:各都道府県・指定都市にある、精神保健に関する相談窓口です。
- いのちの電話:電話による相談窓口です。
- よりそいホットライン:電話、SNS、チャットによる相談窓口です。
- 家族会:うつ病の家族が集まり、情報交換や交流を行う場です。
うつ病の家族を支えることは、根気と時間が必要です。
しかし、適切なサポートがあれば、必ず回復に向かいます。
焦らず、ゆっくりと支えていきましょう。