暗号化メールの送り方とは?設定方法や仕組みを徹底解説
セキュリティ対策ガイド暗号化メールを利用することで、大切な情報を第三者の盗聴から守ることができます。
2026.01.07
要点:暗号化メールとは、内容を第三者が解読できない形式に変換して送信する仕組みです。
2026年現在はS/MIMEやTLS、オンラインストレージの活用が主流です。
PPAP(パスワード付きZIP送信)に代わる安全な方法への移行が企業に求められています。
ビジネスにおいて個人情報や機密情報を扱う際、電子メールのセキュリティ対策は不可欠です。
通常のメール送信では、通信経路でデータが盗聴されるリスクがあります。
情報漏えい事故につながる可能性があります。
株式会社などの組織では、情報セキュリティの観点から「暗号化メール」の運用が標準化されています。
本記事では、
- 初心者の方でも簡単に実践できるOutlookやGmailでの暗号化設定
- S/MIMEやPGPといった専門技術の仕組み
さらに2026年の最新トレンドである脱PPAPソリューションについても詳しく解説します。
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暗号化メールを利用することで、大切な情報を第三者の盗聴から守ることができます。
暗号化メールの仕組みと必要性
要点:メールを暗号化する主な理由は、盗聴、改ざん、なりすましを防止するためです。
送信時にデータを複雑なコードに変換します。
受信者が「鍵」を使って復号することで、正当な相手だけが内容を読めるようになります。
インターネット上を流れるメールは、多くのサーバーを経由して相手に届きます。
この経路のどこかで悪意のある第三者がアクセスした場合、暗号化されていないメールは簡単に中身を見られてしまいます。
情報の保護とリスク回避
企業にとって、お客様の個人情報や取引先との機密情報は最も大切な資産です。
万が一流出が発生すれば、信頼を失うだけでなく、多額の賠償請求が発生するリスクもあります。
暗号化メールを導入することで、ヒューマンエラーによる誤送信が起きた際も、内容の閲覧を制限できるメリットがあります。
2026年の最新セキュリティ動向
昨今では、AIを活用した高度なサイバー攻撃が増加しています。
そのため、従来のSSL/TLSによる通信経路の暗号化だけでなく、メッセージそのものを暗号化するS/MIMEの利用が推奨されています。
2025年から2026年にかけては、Microsoft 365やGoogle Workspaceの標準機能として、より強固な暗号化が容易に行えるよう進化しています。
公開鍵暗号方式は、安全に情報をやり取りするための基本的な技術です。
Outlookでの暗号化メール送信方法
要点:Outlookで暗号化メールを送るには、S/MIME設定を利用するか、Microsoft 365の「保護」機能(IRM)を使用します。
送信前に「オプション」タブから設定を選択するだけで、簡単にセキュリティを強化できます。
Microsoft Outlookはビジネスで広く使われているメールソフトです。
高度な保護機能が搭載されています。
S/MIME設定による署名と暗号化
S/MIME(エスマイム)を利用するには、電子証明書の取得が必要です。
- 「ファイル」タブから「オプション」を選択。
- 「セキュリティセンター」の設定から「電子メールのセキュリティ」へ進みます。
- 取得した証明書を選択し、「送信メッセージの内容と添付ファイルを暗号化する」にチェックを入れます。
注釈:S/MIME(Secure / Multipurpose Internet Mail Extensions)
電子署名と暗号化を組み合わせたプロトコル。
送信者の本人証明となりすまし防止、本文の秘匿を同時に実現します。
Microsoft 365の「暗号化」ボタン
Office 365を利用している場合、より手軽な方法があります。
- 「新しいメール」を作成。
- 上部の「オプション」タブをクリック。
- 「暗号化」ボタンを選択し、「暗号化のみ」または「転送不可」などのポリシーを適用します。これにより、受信者がOutlook以外のクライアントを使用している場合でも、Webポータル経由で安全に閲覧いただけます。
設定画面から一度構成しておけば、重要なメールを送る際に迷わず選択できます。
Gmailでの暗号化送信と機密モード
要点:Gmailでは標準でTLS(通信経路の暗号化)が動作していますが、より高い安全性を求める場合は「機密モード」を使用します。
これにより、有効期限の設定やパスコードによる保護が可能になります。
GoogleのGmailは個人から法人まで幅広く利用されており、操作性が高いのが特徴です。
Gmailの機密モードの使い方
特別なソフトのインストールなしで利用できる便利な機能です。
- メールの作成画面下部にある「時計と鍵」のアイコンをクリック。
- 有効期限を設定し、必要に応じて「SMSパスコード」を選択。
- 送信をクリックすると、受信者には本文が直接表示されず、リンクをクリックして本人確認を行う形式で届きます。
注釈:TLS(Transport Layer Security)
通信経路を暗号化する技術。
ただし、送信元と送信先の両方のサーバーが対応している必要があります。
法人向けGoogle Workspaceの強化
企業向けのプランでは、さらに強力な「クライアント側の暗号化(CSE)」もサポートされています。
これにより、Google自体もデータの中身を閲覧できないレベルのプライバシー保護が実現可能です。
「機密モード」を使えば、メールの転送やコピーを制限することも可能です。
S/MIMEとPGPの違いを理解する
要点:S/MIMEは公的機関や認証局が発行する証明書を用いる「信頼」ベースの方式です。
PGPはユーザー同士が公開鍵を交換する「個別のつながり」ベースの方式です。
ビジネスでは管理が容易なS/MIMEが一般的に普及しています。
メールそのものを暗号化する技術には、大きく分けて2つの主要なプロトコルが存在します。
S/MIMEのメリットと運用
S/MIMEは、
- Microsoft Exchange
- Outlook
- iPhoneの標準メールアプリ
など、多くの主要クライアントで標準搭載されています。
- 特徴:送信者の「正当性」をデジタル署名で証明できる。
- 課題:送信側と受信側の両者が証明書を導入している必要がある。
PGP(Pretty Good Privacy)とは
PGPは、オープンソースの「OpenPGP」として広く知られており、特にITエンジニアや機密性の高い情報を扱う専門家の間で使われます。
- 仕組み:公開鍵暗号方式を用い、相手の公開鍵で暗号化して送る。
- 現状:設定に手間がかかるため、一般のビジネスシーンではS/MIMEに代わられる傾向にあります。
企業の標準的な運用には、管理がしやすいS/MIMEが適しています。
脱PPAP!最新の暗号化メール代替え案
要点:日本独自の習慣であった「パスワード付きZIPファイル送信(PPAP)」は、セキュリティレベルが低く、マルウェア検知を妨げるリスクがあります。
2026年現在はオンラインストレージやファイル共有サービスへの移行が必須です。
政府や多くの大手企業がPPAPの廃止を公表したことで、メールの送り方は大きな転換期を迎えています。
なぜPPAPは危険なのか
従来、zipファイルにパスワードをかけましょう。
別送のメールでパスワードを送る手法が広く行われてきました。
しかし、同じ通信経路を使っているため盗聴に対して無防備です。
中身のウイルススキャンができません。
そのため、Emotetなどのマルウェア感染を許す一因となっていました。
推奨される代わりの方法
- クラウドストレージの活用:ファイルをOneDriveやGoogle Drive、Boxにアップロードし、その共有リンクを送信する。
- 送信後認証ソリューション:HENNGE OneやActive! gate SSなどの法人向けサービスを用い、自動的にファイルをクラウドへ移動させて受信者に認証を求める。
- TeamsやSlackなどのチャット:社外との連携機能を使って、ファイルそのものをメールに添付しない運用に切り替える。
同じ経路でパスワードを送ることは、鍵をドアのすぐそばに置くのと同じです。
暗号化メール 無料で送る方法と注意点
要点:個人事業主や予算の限られたスタートアップでも、Proton Mailなどの専用サービスや無料の電子証明書(一部条件付き)を利用すれば、コストを抑えて安全な送受信が可能です。
セキュアメール専用サービスの利用
スイスに拠点を置く「Proton Mail(プロトンメール)」などは、エンドツーエンドの暗号化を標準で提供しており、無料でアカウント作成が可能です。
- メリット:サーバー管理者ですら内容を読めないほど強固な保護。
- 注意点:相手も同じサービス、もしくはOpenPGP対応ソフトを使わないと完全な暗号化は実現しない。
無料の電子署名・証明書の現状
以前は「Comodo」などが無料のS/MIME証明書を提供していましたが、現在は有料化が進んでいます。
個人用途であれば、一時的なトライアル版や特定のプロバイダーが提供する付帯サービスをチェックしてみる価値があります。
暗号化メールは、大切な情報を第三者の盗み見から守るための必須ツールです。
なりすましメール対策と送信ドメイン認証
要点:メールの暗号化と併せて重要なのが、送信者が本人であることを証明する「SPF/DKIM/DMARC」の設定です。
これにより、自社のメールが迷惑メールと判定されるリスクを低減します。
受信者の信頼を勝ち取ることができます。
暗号化によって「中身」を守ると同時に、「封筒の差出人」が本物であることを証明する必要があります。
3つの送信ドメイン認証技術
- SPF:送信元サーバーのIPアドレスをDNSに登録し、正当性を証明する。
- DKIM:電子署名を付与し、メールが途中で改ざんされていないことを保証する。
- DMARC:SPF/DKIMの認証に失敗したメールの扱い(拒否や隔離)をドメイン所有者が指定する。
注釈:なりすましメール
攻撃者が実在の人物や企業のアドレスを騙って送るメール。フィッシング詐欺やマルウェア感染のきっかけとなります。
暗号化とドメイン認証を組み合わせることで、完全なメールセキュリティが実現します。
法人向け暗号化ソフト・製品の選び方
要点:法人の場合、個々の社員の設定に任せるのはミスの原因となります。
ゲートウェイ型やクラウド型の暗号化ソリューションを導入し、自動的に暗号化やファイル共有への変換を行う仕組みを構築するのが最適です。
ソリューション選びのポイント
- 自動化のレベル:宛先が社外の場合に自動で暗号化(TLS強制やストレージ転送)を行う機能があるか。
- 添付ファイルの取り扱い:ZIP化ではなく、リンク共有への変換がスムーズか。
- 価格とライセンス:従業員数に応じたコストパフォーマンスと、既存のMicrosoft 365等との連携。
おすすめの最新製品(2026年時点)
- HENNGE One:クラウドサービスへの横断的なセキュリティと脱PPAPを1つで実現。
- Active! gate SS:誤送信防止と自動暗号化機能を備えた国産のクラウドサービス。
管理者が一括でポリシーを設定することで、社員の負担を減らしつつ安全性を高められます。
暗号化メールに関するよくある質問(FAQ)
要点:受信者が暗号化メールを読めない場合の対処法や、スマホでの対応状況など、現場でよく発生する疑問について解説します。
Q. 相手が暗号化メールを「開けません」と言ってきたら?
A. 受信側がS/MIME証明書を持っていない場合、暗号化されたメールは読めません。
その場合は、Microsoft 365のポータル表示機能を使うか、ファイルをクラウドストレージのパスワード付きリンクで共有する方法へ切り替えてください。
Q. iPhoneやAndroidなどのスマホでも暗号化メールは送れますか?
A. はい、可能です。
iPhoneの標準メールアプリはS/MIMEに対応しております。
プロファイルをインストールすることで利用できます。
Androidも、Gmailアプリの機密モードやサードパーティのセキュアメールアプリを活用することで対応可能です。
Q. 暗号化メールはウイルススキャンされますか?
A. S/MIMEなどで「本文そのもの」を暗号化している場合、途中のサーバーでは中身をスキャンできません。
そのため、受信者のPCに届いた直後のエンドポイント(端末側)でのウイルススキャンを必ず有効にしておく必要があります。
モバイル環境でも、適切な設定によって安全なメール送受信が可能です。
2026年のまとめ:安全なメール送信の第一歩
要点:メールの暗号化はもはや「特別なこと」ではなく、ビジネスの最低限のルールです。
まずはGmailの機密モードやOutlookの標準機能を使いこなすことから始めましょう。
組織として最適なソリューションを選択しましょう。
暗号化メールの送り方をマスターすることは、自分自身と自社を守るだけでなく、取引先に対する誠実さの証明でもあります。
本記事で解説した手順を参考に、今日からセキュリティレベルを一段階引き上げてください。
適切なツール選びが、業務効率と安全性の両立を可能にします。
毎日の小さな積み重ねが、重大なインシデントを防ぐ盾となります。
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