【2025年最新情報】Windows 11 LTSCとは?通常版との違い、メリット・デメリット、入手方法を徹底解説
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「LTSC」とは、特定の用途向けに長期サポートが提供されるWindowsのエディションです。
その安定性やサポート期間の長さから、一部の企業や特定用途の組み込み機器などで高く評価されています。
しかし、Windows 11のLTSC版は、Windows 10のLTSC版とは異なります。
リリース時期や提供方法に特徴があります。
そして、「通常版と何が違うの?」といった疑問をお持ちの方も多いはずです。
今回の記事では、2025年5月現在の最新情報に基づいて、
- 「LTSC」とは何かという基本的な定義
- Windows 11 LTSCの現在のリリース状況と今後について
- Windows 11 LTSCと通常版(Pro/Home)との決定的な違い(機能、アップデート、サポート期間など)
- Windows 11 LTSCのメリット・デメリット
- どのような用途やユーザーに適しているか
- 一般ユーザーが入手できるのか、合法的な「入手方法」
までを、よくある質問を網羅しながら徹底解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、「windows11 ltsc」について正しく理解し、ご自身のニーズに合っているか判断できるようになるはずです。
さあ、特定用途に最適な安定版Windows 11について詳しく見ていきましょう。
「LTSC」とは? Long-Term Servicing Channelの基本
「LTSC」とは、「Long-Term Servicing Channel」の略称です。
マイクロソフトが提供するWindowsのエディションの一つが採用しているサービスモデルです。その名の通り、「長期サポート」が最大の特徴となっています。
通常のWindowsエディション(HomeやPro、EnterpriseのSAC版など)が、年に1回程度(かつてのSACは年に2回)のペースで「機能アップデート(大型アップデート)」が提供されます。
対して、LTSC版は機能アップデートの頻度が非常に少ないです。
一般的に、LTSC版の機能アップデートは数年ごとにリリースされます。
そして、一度リリースされたLTSC版は、
- その後長期にわたるセキュリティアップデート
- 不具合修正
のみが提供されます。
機能が大きく変わることがありません。
これにより、OSの仕様変更による影響を最小限に抑えます。
特定の用途で安定した運用を長期にわたって続けることが可能になります。
これが「LTSCとは」という問いに対する基本的な答えです。
その安定性から「安定版Windows」とも呼ばれることがあります。
Windows 11 LTSCの現状とリリース情報(2025年5月時点)
「windows11 ltscはいつ出るの?」という点について、2025年5月現在の最新情報をお伝えします。
マイクロソフトは、Windows 11をベースとしたLTSC版として、以下の2つのエディションを「2024年後半」にリリース予定であることを発表しています。
- Windows 11 Enterprise LTSC
- Windows 11 IoT Enterprise LTSC
すでにリリースされているWindows 11のバージョン(23H2など)とは異なる、LTSC専用のバージョンとして提供されることになります。
Windows 11 LTSCと通常版(Pro/Home)は何が違う?
ここが最も重要なポイントです。
「windows11 ltsc」と、皆さんが普段使っているであろう通常版Windows 11(HomeやPro)との決定的な違いを見ていきましょう。
項目 | Windows 11 LTSC 版(予定) | 通常版 Windows 11(Pro/Homeなど) |
---|---|---|
機能アップデートの頻度 | 数年ごと(リリースされたバージョンから大きな機能変更なし) | 年に1回程度(新しい機能が追加・変更される) |
サポート期間 | 長期(Enterprise LTSCは5年、IoT Enterprise LTSCは10年 ※予定) | 短期(Home/Proは通常24ヶ月、Enterprise/Educationは通常36ヶ月 ※リリースバージョンによる) |
含まれる機能・アプリ | 必要最低限の機能に絞られている 特定のコンシューマー向けアプリが含まれない | 最新の機能やコンシューマー向けアプリが広く含まれる |
対象ユーザー | 企業の特定用途、組み込み機器など、安定した運用が必要なシステム | 一般ユーザー、ビジネスユーザーのPC、ノートPCなど汎用的な用途 |
入手方法 | ボリュームライセンス、ハードウェアへのプリインストール | 小売パッケージ、PCへのプリインストール、ダウンロード販売 |
決定的な違いを詳しく解説
アップデートサイクルの違い
通常版Windows 11は年に一度の機能アップデートで新しい機能が追加されます。
UIが変わったりします。
一方、LTSC版はリリース時点の機能セットで固定されます。
その後はセキュリティアップデートと不具合修正のみ。
これにより、OSの仕様変更に左右されず、長期間同じ環境で運用できます。
これが「Windowsアップデート不要」と誤解されることがあります。
しかし、セキュリティアップデートは通常版と同様に継続的に提供されますのでご安心ください。
サポート期間の長さ
LTSC版はセキュリティアップデートや不具合修正が非常に長期間提供されます。
これにより、特定用途のシステムを安心して長期間運用し続けることが可能です。
「Windows 11 LTSCサポート期間」の長さは、他のエディションにはない大きな特徴です。
含まれる機能の違い
LTSC版は、OSのコア機能とセキュリティ関連に重点が置かれます。
- 特定のコンシューマー向け機能
- アップデートが頻繁な一部のユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)アプリ(例: Cortanaなど)
が含まれない傾向があります(※Windows 11 LTSCで何が含まれるかは確定情報をご確認ください)。
また、Edgeブラウザは含まれますが、そのアップデートサイクルがLTSCの機能アップデートに紐づくなど、通常版とは動作が異なる可能性があります。
「Windows 11 LTSC機能」は通常版より限定的です。
これらの違いから、LTSC版は特定用途での安定稼働に特化したエディションであり、一般ユーザーが日常的に使うPCには向いていません。
Windows 11 LTSCのメリット・デメリット
Windows 11 LTSCを特定用途で導入する場合のメリットとデメリットを整理します。
ご自身の用途に適しているか判断できます。
メリット
- 圧倒的な安定性: 機能アップデートの頻度が非常に少ないため、OSの仕様変更によるトラブル発生リスクが低く、安定版 Windows 11としての運用が期待できます。検証コストも抑えられます。
- 長期サポート: 一度導入すれば、長期間にわたってセキュリティアップデートが提供されるため、OSの入れ替えサイクルを長くできます。「長期 サポート」は企業にとって大きな安心材料です。
- 予測可能なアップデート: セキュリティアップデートは通常版と同様に定期的に提供されますが、機能変更がないため、アップデートによる影響を予測しやすく、管理が容易です。
- リソース効率(可能性): 余分な機能やアプリが少ないため、システムリソース消費を抑えられる可能性があります(※環境による)。
デメリット
- 最新機能の欠如: リリース時点の機能セットで固定されるため、数年のサポート期間中に通常版に追加される新しい機能や改善を利用できません。
- ハードウェア/ソフトウェア互換性の問題: LTSC版のリリース後に登場した新しいハードウェアや、最新版のWindows 11を前提としたソフトウェアで互換性の問題が発生する可能性があります。
- 一部アプリの制限: Microsoft Storeや一部のUWPアプリが含まれない、または機能しない場合があります。
- 一般ユーザーには不向き: 最新の機能やサービスを利用したい、様々なアプリをインストールしたいといった一般ユーザーの用途には全く適していません。
- 入手が困難/高価: 個人が通常購入することはできず、企業向けのボリュームライセンスや、特定用途の機器にプリインストールされた形でしか入手できません。
これらのメリットとデメリットを踏まえ、Windows 11 LTSCはあくまで特定用途に最適なOSであると理解することが重要です。
Windows 11 LTSCは誰向け?どのような用途に適している?
Windows 11 LTSCは、その特性から特定のユーザー層や特定用途にターゲットを絞ったエディションです。
一般ユーザーが普段使いするPC向けのOSではありません。
主なターゲットと適した用途
- 企業の特定業務システム: 製造ラインの制御システム、医療機器(MRI、CTなど)、金融機関のATM、POSシステムなど、OSの仕様変更がシステムの停止や誤作動に直結するような、安定稼働が最優先される基幹システム。
- 産業用PCや組み込み機器: 工場のFA機器、デジタルサイネージ、監視システム、キオスク端末など、特定の機能のみを長期間安定して実行する必要がある組み込み機器。
- IT環境の標準化: OSのバージョン管理やアップデート適用に厳格なポリシーを持つ企業が、特定のバージョンのOSを長期間にわたって標準として採用したい場合。
これらの用途では、OSが勝手に機能アップデートされて業務に支障が出る、といった事態を避けたいというニーズが非常に高いため、LTSC版が適しています。
- 「企業向け Windows」
- 「特定用途 Windows」
- 「組み込み Windows」
といったキーワードは、LTSCの主な使われ方を示しています。
Windows 11 LTSCの入手方法と注意点
「Windows 11 LTSCの入手方法」についても、通常版とは大きく異なります。
個人が家電量販店やオンラインストアでパッケージ版を購入したり、Microsoftの公式サイトから通常版のISOファイルをダウンロードしたりすることはできません。
ボリュームライセンスによる提供 (Enterprise LTSC)
大規模な企業や組織向けに提供されるライセンス形態です。
マイクロソフトとの間で特定の契約(ボリュームライセンス契約)を結んでいる企業が、その契約に基づいて入手・展開できます。
個人事業主や中小企業でも一部のプログラムを利用できる可能性はあります。
しかし、基本的に個人が単体で購入できるものではありません。
ハードウェアへのプリインストール (IoT Enterprise LTSC): 特定用途の機器メーカーが、自社の製品(産業用PC、専用端末など)に組み込むOSとしてマイクロソフトからライセンスを受けます。
事前にインストールした状態で提供されます。
この場合、OS単体で入手するのではなく、組み込み機器として購入することになります。
入手に関する注意点
個人での正規の入手は極めて困難
一般の個人が、自身のPCにインストールするためにWindows 11 LTSC版を正規の方法で入手することは、事実上不可能です。
非正規の入手経路には絶対手を出さない
インターネット上には非正規のダウンロードサイトやプロダクトキー販売サイトが存在する可能性がゼロではありませんが、これらは違法である可能性が高く、マルウェア感染などのセキュリティリスクが非常に大きいため、絶対に使用しないでください。
したがって、「windows11 ltscを自分の普段使いのPCに入れたい」と考えている場合、正規の方法では実現できないと理解しておきましょう。
Windows 10 LTSCからの移行について
現在、Windows 10 Enterprise LTSC や Windows 10 IoT Enterprise LTSC を利用している企業やユーザーは、Windows 11 LTSCがリリースされた後、新しいバージョンへの移行を検討することになります。
Windows 10 LTSC 2021(最新版)は、Windows 11のベースとなるWindows 10 バージョン21H2を基にしています。
Windows 11 LTSCがリリースされれば、これがWindows 11の特定バージョン(例: 24H2など)をベースとしたLTSC版となります。
移行の際は、現在使用しているシステムやソフトウェアがWindows 11 LTSCで正常に動作するか、十分な検証が必要になります。
Windows 10 LTSCからの移行パスは提供されますが、簡単ではない場合もあります。
Windows 11 LTSCは特定のニーズに応えるOS
- LTSCは、数年ごとの機能アップデートと長期サポートが特徴のWindowsサービスモデルです。
- 通常版との最大の違いは、機能アップデートの頻度とサポート期間の長さ、そして含まれる機能が絞られている点です。
- Windows 11 LTSCは、製造ライン、医療機器、ATMなど、安定稼働が最優先される企業の特定用途や組み込み機器に最適なエディションです。
- 一般ユーザーが普段使いのPC向けに正規の方法で入手することはできません。 入手方法はボリュームライセンスや機器へのプリインストールに限られます。
この記事が、「windows11 ltsc」に関するあなたの疑問解消の一助となれば幸いです。
よくある質問 (FAQ)
Q: Windows 11 LTSCを私の自宅のPCにインストールできますか?
A: いいえ、一般の個人ユーザーが、自身の普段使いのPCにWindows 11 LTSCを正規の方法でインストールすることはできません。
LTSCは企業向けのボリュームライセンスまたは特定用途機器へのプリインストールでのみ提供されます。
Q: Windows 11 LTSCは通常版より動作が速いですか?
A: LTSC版は余分なコンシューマー向け機能やアプリが少ないため、理論上はリソース消費が抑えられます。
動作が軽快になる可能性はあります。
しかし、体感できるほどの大きな差があるとは限りません。
また、通常版に含まれる最新のドライバーや機能の最適化が適用されないため、必ずしも全ての環境で高速になるとは言えません。
LTSCの最大のメリットは「安定性」と「長期サポート」であり、「速度」ではありません。
Q: Windows 11 LTSCには広告や不要なアプリが含まれませんか?
A: 通常版に比べて、コンシューマー向けのプリインストールアプリ(例: 特定のゲームや試用版ソフトなど)や、Microsoft Storeから自動で追加されるようなアプリは含まれない傾向が強いです。
しかし、完全にゼロとは言えない場合もありますし、Microsoft Edgeなどの基本的なWindows アップデートに紐づくアプリは含まれます。
Q: Windows 11 EnterpriseとWindows 11 Enterprise LTSCは何が違うのですか?
A: どちらも企業向けのエディションですが、サービスモデル(アップデートの受け取り方)が異なります。
Windows 11 Enterprise (SAC版): 年に1回程度の機能アップデートを受け取ります。常に比較的新しい機能を利用できます。サポート期間は36ヶ月です。
Windows 11 Enterprise LTSC: 数年ごとの機能アップデートのみを受け取ります。リリース時点の機能で長期間固定されます。サポート期間は5年と長いです。
Q: Windows 11 LTSCは無料で入手できますか?
A: いいえ、無料ではありません。
企業向けの有料ライセンスであるボリュームライセンスの一部として提供されるか、ライセンス料が製品価格に含まれた特定用途機器にプリインストールされた形で提供されます。
個人が無料で入手できるものではありません。