Windows 11 クリーンインストール 完全ガイド!手順・メリット・注意点・準備から初期設定まで徹底解説
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- 「最近、Windows 11 の動作がなんだか重い…」
- 「パソコンの調子が悪いから、一度リフレッシュしたい」
- 「買ったばかりのパソコンだけど、不要なアプリを全部消してまっさらな状態にしたい」
日頃パソコンを使っている中で、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
そんな時に検討したいのが、「クリーンインストール」です。
クリーンインストールとは、OS(オペレーティングシステム)であるWindows 11を完全に削除します。
何も入っていないまっさらな状態からWindows 11を再構築する作業のことです。
OSの再インストールとも呼ばれます。
パソコンの動作を劇的に改善したり、トラブルを解消したりする非常に有効な手段として知られています。
しかし、
- 「なんだか難しそう…」
- 「大切なデータが消えてしまわないか不安…」
- 「そもそもやり方が分からない」
と感じている方も少なくないはずです。
今回の記事は、「クリーンインストール Windows 11」を実行したいあなたのために、
- 準備から手順
- 初期設定
- よくある疑問
- トラブル対処法
までを、どこよりも分かりやすく徹底的に解説する完全ガイドです。
この記事を最後までお読みいただければ、クリーンインストールのメリットとデメリットを理解できるはずです。
注意点を押さえながら、Windows 11を高速化しましょう。
快適な環境を手に入れることができるはずです。
さあ、あなたのPCを最高の状態にするための第一歩を踏み出しましょう!
「クリーンインストール」とは?そのメリット・デメリットと初期化との違い
クリーンインストールをWindows 11で実行する前に、まずはその基本的な概念を理解しましょう。
「クリーンインストール」の定義
クリーンインストールとは、パソコンのストレージ(HDDやSSD)内のデータをすべて消去します。
OS(Windows 11)を完全にまっさらな状態から再構築することです。
工場出荷時の状態に戻すようなイメージに近いです。
OSだけではありません。
それまでインストールされていたアプリやファイル、設定などもすべて消去されます。
クリーンインストールのメリット
- 動作の高速化・安定化: 長期間使用したPCに溜まる不要なファイルやレジストリ、互換性のないアプリなどが一掃され、Windows 11を導入した直後のような軽快な動作を取り戻せます。パソコンの動作が重いと感じる場合に特に有効です。
- トラブルの解消: 原因不明のシステムトラブルやエラー、ウイルスの影響などを根本的に解決できます。
- ストレージ容量の解放: 不要なデータやアプリが削除されるため、ストレージの空き容量が増加します。
- セキュリティの向上: OSが最新の状態に保たれ、クリーンな環境でセキュリティ対策を再構築できます。
クリーンインストールのデメリット
- データがすべて消える: 最も重要なデメリットです。個人のファイル(写真、動画、文書など)やインストール済みのアプリ、設定などがすべて消えてしまうため、事前バックアップが必須です。
- 再設定や再インストールに手間がかかる: OSインストール後に、ドライバーの再導入や、普段使うアプリの再インストール、各種設定(ネットワーク、アカウントなど)を最初から行う必要があります。
- ライセンス認証の確認: Windows 11のライセンス認証を再度行う必要がある場合があります。
【決定版】Windows 11 バックアップ完全ガイド!初心者も安心な設定方法から復元まで徹底解説
「初期化(リセット)」との違い
Windows 11には「PCを初期化する」という機能もありますが、これはクリーンインストールとは異なります。
項目 | クリーンインストール | PCの初期化(リセット) |
---|---|---|
データ削除 | すべて削除 | 個人ファイルを残す/削除する選択肢あり |
OSの状態 | まっさらな状態から再構築 | OSの再インストールだが、一部設定やアプリは引き継がれる可能性あり |
トラブル対応 | 根本的な解決に強い | 軽度なトラブル解消向け |
手間 | 準備と再設定に手間がかかる | クリーンインストールよりは手間が少ない |
初期化は、主に軽微なトラブル解消や、PCの動作が重いと感じたときに手軽に試せる方法です。
一方、クリーンインストールは、OSレベルで問題を根こそぎ解決します。
最高のパフォーマンスを取り戻したい場合に有効です。
クリーンインストールの前に!万全の準備が成功の鍵
クリーンインストールを成功させるためには、事前の準備が最も重要です。
この準備を怠ると、大切なデータを失ったり、途中でインストールが滞ったりする可能性があります。
注意点をしっかり確認しましょう。
(1) データの完全バックアップ
最重要項目です。
クリーンインストールでは、Cドライブ内のデータがすべて消去されます。
- 写真
- 動画
- 文書ファイル
- ダウンロードしたデータ
- Webブラウザのお気に入り
- メールデータ
など、失いたくないデータは必ず外部にバックアップしてください。
- 外付けHDD/SSD: 大容量データを保存するのに最適です。
- USBメモリ: 小~中容量のデータの持ち運びに便利です。
- クラウドストレージ: OneDrive、Google Drive、Dropboxなど。インターネット環境があればどこからでもアクセスできます。
- Windowsのバックアップ機能: 復元ポイントやドライブイメージの作成も検討しましょう。
(2) Windows 11 のシステム要件の確認
お使いのPCがWindows 11の最小システム要件を満たしているか、再度確認しておきましょう。
特に以下の項目は要チェックです。
- TPM 2.0: セキュリティに関するモジュールです。
- セキュアブート: UEFIファームウェア設定で有効になっている必要があります。
- CPU: 互換性のある64ビットプロセッサ。
- メモリ: 4GB以上。
- ストレージ: 64GB以上の空き容量。
これらの要件が満たされていないと、クリーンインストールができない場合があります。
(3) Windows 11 ライセンスの確認
Windows 11のライセンス認証に必要な情報を確認しておきましょう。
- デジタルライセンスの場合: 以前のWindows 10/11がデジタルライセンスで認証済みの場合は、Microsoftアカウントに紐付いているため、クリーンインストール後にMicrosoftアカウントでサインインするだけで自動的に認証されることが多いです。
- プロダクトキーの場合: パッケージ版を購入した方や、特定の状況ではプロダクトキー(25桁の英数字)が必要になります。手元に控えておきましょう。
(4) Windows 11 インストールメディアの作成
クリーンインストールには、Windows 11のインストールメディア(USBメモリまたはDVD)が必要です。
Microsoftが提供する公式ツール「Media Creation Tool」を使って、USBメモリで作成するのが最も一般的で簡単です。
- 用意するもの: 8GB以上の空き容量があるUSBメモリ(データは消えるので注意)。
- ダウンロード: Microsoftの公式サイトから「Windows 11 インストールメディア作成ツール」をダウンロードして実行します。画面の指示に従って進めれば、簡単にインストールメディアが作成できます。
(5) 必要なドライバーの準備
クリーンインストール後は、一部のドライバーが自動で導入されない場合があります。
特にインターネットに接続するためのLANやWi-Fiドライバーは、事前にPCメーカーの公式サイトからダウンロードします。
別のUSBメモリなどに保存しておきましょう。
- グラフィックボード
- サウンドカード
など、主要なデバイスのドライバーも念のため準備しておくと安心です。
(6) 必要となるアカウント情報の把握
クリーンインストール後の初期設定で必要となる、各種アカウント情報やパスワードを把握しておきましょう。
- Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワード
- Wi-Fiのネットワーク名(SSID)とパスワード
- 普段使っている各種サービスのID/パスワード(メール、SNSなど)
【ステップバイステップ】Windows 11 クリーンインストール手順
ここからは、やり方を具体的な手順で解説します。
作成したインストールメディア(USBメモリ)と準備した情報を手元に置いて、焦らず慎重に進めましょう。
(1) インストールメディアからの起動
- 作成したインストールメディア(USBメモリ)をPCに挿入します。
- PCの電源を入れ、メーカーロゴが表示されたらすぐに、BIOS/UEFI設定画面を呼び出すキー(F2, F10, F12, Delキーなど。PCメーカーによって異なる)を連打します。
- BIOS/UEFI設定画面で、起動順序(Boot Order)を、USBメモリ(または「USB HDD」など)が一番最初になるように変更します。
- 設定を保存して再起動します。USBメモリから起動し、「Windows セットアップ」画面が表示されます。
(2) Windows セットアップの開始
- 「Windows セットアップ」画面で、言語、時刻と通貨の形式、キーボードまたは入力方式を選択し、「次へ」をクリックします。
- 「今すぐインストール」をクリックします。
(3) プロダクトキーの入力
- 「Windows のライセンス認証」画面が表示されたら、プロダクトキーを持っている場合は入力します。
- デジタルライセンス認証済みのPCでプロダクトキーが不明な場合は、「プロダクトキーがありません」をクリックしてスキップしても、Microsoftアカウントでサインインすれば自動で認証されることが多いです。
(4) インストールするWindows 11 のエディション選択
- インストールするWindows 11のエディション(例:Home、Proなど)を選択します。
- 「次へ」をクリックします。
- お使いのライセンスに対応するエディションを選びましょう。
(5) インストール種類の選択:「カスタム」を選択
- 「インストールの種類を選んでください」画面が表示されたら、「カスタム:Windows のみをインストールする(詳細設定)」を選択します。
- ここがクリーンインストールの重要なポイントです。
(6) パーティションの削除と再作成
- 「Windows のインストール場所を選んでください」画面が表示されます。
- ここに現在のストレージ(HDDやSSD)のパーティションが表示されます。
- 重要なデータがバックアップ済みであることを再度確認してください。
- 表示されているパーティションをすべて選択します。
- 「削除」をクリックします。
- 警告が表示されますが、「OK」をクリックして続行します。(これにより、ストレージが完全に初期化されます)
- すべてのパーティションを削除すると、「ドライブ〇の未割り当て領域」という表示になります。
- この「未割り当て領域」を選択し、「次へ」をクリックします。
- Windows 11のインストールに必要なパーティションが自動で作成されます。
(7) インストール開始と再起動
- Windows 11のインストールが自動的に開始されます。
- これには数十分から1時間以上かかる場合があります。
- インストールが完了すると、PCが何度か自動的に再起動します。
(8) 初期セットアップ
再起動後、
- 地域
- キーボードレイアウト
- Microsoftアカウントでのサインイン
- PINの設定
など、Windows 11の初期セットアップ画面が表示されます。
画面の指示に従って進めてください。
インターネット接続が必要な場合は、事前に準備したWi-Fiパスワードなどを入力します。
ネットワークに接続します。
すべての設定が完了すると、Windows 11のデスクトップ画面が表示されます。
クリーンインストールは完了です。
クリーンインストール後の必須設定とデータ復元
クリーンインストールが終わっただけでは、まだPCが快適な状態になったとは言えません。
ここからは、OSを最大限に活用します。
快適な環境を構築するための必須設定と、バックアップデータの復元について解説します。
(1) Windows Update の実行
まず第一に、Windows Updateを実行します。
OSを最新の状態に保ちましょう。
これにより、最新のセキュリティパッチや機能改善が適用されます。
- 「設定」アプリを開き、「Windows Update」をクリックします。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新があればすべてインストールします。再起動を求められた場合は、指示に従って再起動します。
(2) ドライバーのインストール
Windows Updateで基本的なドライバーは導入されますが、
- グラフィックボードやサウンドカード
- PCメーカー独自の機能(指紋認証など)
については、手動での導入が必要な場合があります。
- 「デバイスマネージャー」を開きます。
- 不明なデバイスや黄色い「!」マークがついているデバイスがないか確認します。
- 事前に準備しておいたLANやWi-Fiドライバーをインストールします。
- インターネットに接続できるようにします。
- PCメーカーの公式サイトにアクセスします。
- お使いのモデルに合わせた最新のドライバーをダウンロードしてインストールしましょう。
(3) Microsoftアカウントでのサインイン
初期設定でMicrosoftアカウントをスキップした場合は、サインインし直しましょう。
デジタルライセンス認証やOneDriveとの連携、設定の同期などに必要です。
(4) バックアップデータの復元
事前にバックアップしておいた大切な写真や文書ファイル、メールデータなどを、新しい環境に復元しましょう。
必要なデータを必要な場所へ移動させます。
(5) 常用ソフトウェアのインストール
- Webブラウザ(Chrome, Firefoxなど)
- Officeソフト(Word, Excelなど)
- 画像編集ソフト
- 動画再生ソフト
など、普段使うアプリを一つずつインストールしていきます。
(6) セキュリティソフトの導入
Windows 11には標準でWindows Defenderというセキュリティ機能が搭載されていますが、より強固な保護を求める場合は、市販のセキュリティソフトを導入しましょう。
クリーンインストールでよくある疑問・トラブルと対処法
「クリーンインストールができない」といった状況に陥ったり、途中でトラブルが発生したりすることもあります。
ここでは、よくある疑問やトラブルと、その対処法を紹介します。
Q: インストールメディアから起動できない/インストールが始まらない
A: BIOS/UEFI設定で、USBメモリからの起動が最優先になっているか確認してください。
また、
- インストールメディアが正しく作成されているか
- 別のPCで試すか
再度作成し直してみましょう。
Q: 「このPCではWindows 11を実行できません」といったエラーが表示される
A: TPM 2.0やセキュアブートが有効になっていない可能性があります。
PCのBIOS/UEFI設定画面に入ります。
これらの項目を有効にしてください。
設定方法はPCメーカーのサポートページで確認できます。
Q: インストール中にエラーで止まってしまう
A: USBメモリの破損、PCのメモリ不足、ストレージの故障などが考えられます。
- 別のUSBメモリを試す
- メモリを最小限に減らして試す
- ストレージ診断を行う
という3つを試してみてください。
Q: インストール後、インターネットに接続できない
A: LANやWi-Fiドライバーが正しくインストールされていない可能性が高いです。
事前に準備しておいたドライバーを、別のPCからUSBメモリなどで移動させます。
手動でインストールしてください。
Q: Windowsのライセンス認証ができない
A: Microsoftアカウントでサインインしているか確認してください。
デジタルライセンスの場合は、サインインすることで自動的に認証されることが多いです。
プロダクトキーがある場合は、手動で入力してみてください。
それでも認証されない場合は、Microsoftのサポートに問い合わせましょう。
Q: インストール後、特定のデバイスが動作しない
A: デバイスマネージャーで、そのデバイスのドライバーが正しくインストールされているか確認してください。
黄色い「!」マークがついている場合は、ドライバーの更新または再インストールが必要です。
PCメーカーの公式サイトから最新のドライバーをダウンロードして試しましょう。
Windows 11 を快適に使いこなすために
この記事では、「クリーンインストール Windows 11」について、その定義やメリット・デメリットから、成功のための万全な準備、詳細な手順、必須の初期設定、そしてよくあるトラブルの対処法までを徹底解説しました。
クリーンインストールは、OSをまっさらな状態に戻すことで、パソコンの動作を劇的に改善します。
トラブルを解消する強力な手段です。
特に「Windows 11 動作が重い」と感じる場合には、その効果を実感しやすいでしょう。
一見すると複雑に見えますが、適切な準備と、ステップバイステップで解説した手順を焦らず実行すれば、初心者の方でも十分に可能です。
大切なデータのバックアップとインストールメディアの準備を怠らないこと、そしてドライバーの導入を忘れないことが成功の鍵となります。
この記事が、あなたのWindows 11を高速化し、より快適なデジタルライフを送るための一助となれば幸いです。
ぜひ、あなたのPCを最高のパフォーマンスに引き上げ、Windows 11を最大限に活用してください。
よくある質問 (FAQ)
Q: クリーンインストール中にインターネットは必要ですか?
A: インストールメディアの作成時と、インストール後の初期設定の一部(Microsoftアカウントでのサインインや更新プログラムのダウンロードなど)でインターネット接続が必要になります。
事前にLANやWi-Fiドライバーを準備し、接続環境を整えておくことが推奨されます。
Q: クリーンインストールしたら、Microsoft Officeも消えますか?
A: はい、Microsoft Officeを含め、後からインストールしたすべてのアプリは消去されます。
Officeを再利用するには、再インストールとライセンス認証が必要になります。
事前にプロダクトキーやMicrosoftアカウント情報を確認しておきましょう。
Q: クリーンインストールはどれくらいの頻度で行うべきですか?
A: 特定の頻度はありません。
- PCの動作が重いと感じるようになった
- トラブルが頻繁に発生した
こんな場合に検討すると良いでしょう。
一般的には数年に一度行うユーザーが多いですが、使い方によっては必要ない場合もあります。
Q: 古いWindows 10のプロダクトキーでWindows 11を認証できますか?
A: はい、多くの場合可能です。
Windows 10からアップグレードしたWindows 11 PCの場合。
そのライセンスはデジタルライセンスとしてMicrosoftアカウントに紐付いています。
クリーンインストール後も同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、自動的に認証されます。
Q: クリーンインストール中に電源が切れたらどうなりますか?
A: インストールが中断され、OSが破損する可能性があります。
最悪の場合、PCが起動しなくなることもあります。
ノートPCの場合は必ず電源アダプターを接続し、デスクトップPCの場合は安定した電力供給を確保してください。