【定年後の再出発】履歴書の書き方完全ガイド|職歴のまとめ方、志望動機、自己PR、ブランクの伝え方まで
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あなたは、人生の節目を迎え、新たな働き方や社会との関わりを求めていらっしゃるのですね。
定年後のセカンドキャリアに向けた第一歩は、履歴書作成から始まります。
長年の社会人経験は、何よりの財産です。
しかし、
- 「ブランクがあるけどどう書けば?」
- 「職歴が長すぎてまとめられない」
- 「年齢のことは気にされる?」
など、定年後の履歴書作成には特有の悩みがあるかもしれません。
ご安心ください。
今回の記事では、定年後に再就職やパート・アルバイトなどの仕事を探す方向けに、採用担当者の心に響く履歴書の書き方を徹底的に解説します。
- 長い職歴の整理方法
- 空白期間(ブランク)の伝え方
- あなたの経験や意欲を効果的にアピールする志望動機・自己PRの書き方
まで、このガイドを読めば自信を持って履歴書を作成できます。
あなたの培ってきた経験を活かし、新たな一歩を踏み出すための履歴書を一緒に完成させましょう!
なぜ定年後の履歴書は少し違うのか?
定年後の履歴書作成にあたり、まず理解しておきたいのは、一般的な履歴書とは少し視点が異なる場合があるという点です。
これまでの履歴書は、キャリアアップや昇進を目指す「積み上げ型」の側面が強い傾向がありました。
しかし、定年後の履歴書は、これまでの「豊富な経験」の中から、
- 「応募する仕事で活かせるスキルや知識」
- 「長く意欲を持って働く意思」
に焦点を当てる必要があります。
企業側はシニア層に、
- 経験
- 人脈
- 責任感
- 落ち着き
などを期待します。
同時に
- 健康面
- 新しい環境への適応力
- PCスキル
などへの懸念を持つ場合もあります。
履歴書は、これらの期待に応え、懸念を払拭するための大切なツールとなるのです。
定年後の履歴書作成の基本ルール
基本的な履歴書のルールは定年前と変わりません。
手書きかPCか
どちらでも構いませんが、募集要項に指定があればそれに従います。
- 丁寧さをアピールするなら手書き
- 訂正のしやすさや使い回しを考えるならPC
が良いでしょう。
指定の書式
企業指定の書式があれば必ずそれを使います。
なければ、
- 市販の履歴書(JIS規格または一般的なもの)
- ハローワークなどで配布されているもの
を使用します。
正確に記入
- 学歴
- 職歴
- 連絡先
など、間違いがないように正確に記入します。
丁寧に書く
誤字脱字がないか何度も確認します。
手書きの場合は丁寧に楷書で書きましょう。
証明写真
3ヶ月以内に撮影した、清潔感のある写真を使用します。
服装はスーツが無難です。
押印
捺印欄があれば押印します(シャチハタ不可)。
履歴書の各項目:定年後ならではの書き方ポイント
ここからは、履歴書の各項目について、定年後の書き方のポイントを解説します。
「定年後 履歴書 例」を参考にしたい方もいらっしゃると思いますが、まずはご自身の情報を整理することが大切です。
基本情報欄(日付、氏名、年齢など)
日付: 提出日または面接日の日付を記入します。
氏名・連絡先: 正確に記入します。ふりがなを忘れずに。
年齢:
履歴書には生年月日を記入します。
年齢は自動的に分かります。
「年齢」を気にする方もいますが、年齢をごまかすことはできません。
する必要もありません。
あなたの経験を示す証として堂々と記入しましょう。
学歴・職歴欄
定年後の履歴書で最も悩む可能性が高いのがこの項目です。
効果的にまとめましょう。
学歴: 一般的に高校卒業から記入します。
学校名、学部・学科名、卒業年月を正確に。
職歴:
入退社の記入: 会社名、入社年月、配属部署、役職などを古い順に記入します。
退職時は「退職」とします。
定年退職の記載:
定年を迎えた会社については、
- 「〇〇年〇月 株式会社〇〇 定年により退職」
- 「〇〇年〇月 株式会社〇〇 定年退職」
と明確に記入します。
これがブランクの一番の理由になります。
長い職歴のまとめ方: 数多くの会社を経験している場合や、一つの会社でのキャリアが非常に長い場合、全ての異動や役職を詳細に書くと欄が足りなくなったり、読みにくくなったりします。以下の方法でまとめましょう。
主要な入退社のみ記載: 短期間で辞めた会社やアルバイト経験などは、応募職種に関連しない限り省略しても構いません。
部署異動や昇進を簡潔に: 「入社後、〇〇部、△△部を経て、営業部にて課長を務める」のようにまとめても良いでしょう。
応募職種に関連する経験を強調: 特にアピールしたい部署や役職があれば、そこに★印をつけたり、簡単な職務内容を補足したりするのも効果的です
(ただし、詳細は職務経歴書に書くのが一般的です)。
現在の状況: 職歴の最後に「現在に至る」または、求職活動中であれば「以上」と記入します。
ブランクの記載:
定年退職後のブランク期間については、履歴書の職歴欄に直接書く必要はありません。
空白期間としてそのままにします。
面接で質問された際に、定年退職したこと、そして現在求職活動中であることを説明すれば十分です。
「ブランク」を過度に気にする必要はありません。
もしその間に資格取得の勉強やボランティアなどに取り組んでいた場合は、自己PRや本人希望欄などに触れることもできます(詳細は後述)。
免許・資格欄
応募する仕事に関連する免許・資格は漏れなく記入します。
取得年月順に正式名称で記入します。(例:〇〇年〇月 普通自動車第一種運転免許 取得)
業務に直接関係なくても、
- 熱意や努力を示すもの
- 汎用性の高いもの(PCスキルに関する資格など)
は記入しておくと良いでしょう。
志望動機
なぜ定年後の今、この会社で働きたいのか、あなたの「働く意欲」と「会社への貢献意欲」を伝える最も重要な項目です。
「志望動機」はじっくり考えましょう。
「なぜこの仕事、この会社なのか」を明確に:
会社の事業内容や募集職種への関心を具体的に示します。
あなたの経験やスキルがどう活かせるか:
これまでのキャリアで培った経験や知識が、応募する仕事でどのように役立つと考えているのかを結びつけます。
「〇〇の経験を活かして、御社に貢献したい」という具体的な姿勢を示しましょう。
働く意欲と理由:
金銭的な理由だけではありません。
- 「社会との繋がりを持ち続けたい」
- 「健康維持のため」
- 「これまでの経験を若い世代に伝えたい」
- 「地域に貢献したい」
など、前向きな働く理由を伝えましょう。
単に「定年したから」ではありません。
意欲と目的があることを示すことが重要です。
例文(ポイント):
「これまでの〇〇年間、△△業界で培ってきた専門知識とコミュニケーション能力を活かし、貴社の◇◇業務に貢献したいと考えております。定年後も社会との繋がりを持ち続け、培った経験を活かしたいという思いが強く、地域に根差した事業を展開されている貴社に魅力を感じ応募いたしました。これまでの経験で培った責任感と正確性には自信があり、一日も早く業務に慣れ、貢献できるよう努めてまいります。」
自己PR
あなたの強みや仕事への取り組み方をアピールする項目です。
「自己PR」では、シニアならではの強みを意識しましょう。
応募職種で活かせる強みをアピール:
あなたの経験の中で、応募する仕事内容と関連性の高いスキルや経験を選びます。
具体的に説明します。
シニアならではの強みを盛り込む:
豊富な経験と知識: 特定分野の専門性や幅広い業務経験。
責任感と誠実さ: 任された仕事を最後までやり遂げる姿勢。
コミュニケーション能力: 年齢や立場を問わず円滑な人間関係を築ける能力。
落ち着きと対応力: 長年の経験に基づいた冷静な判断力やトラブル対応力。
ビジネスマナー: 社会人として当然求められる礼儀やマナー。
健康であること、働く意欲: 体力面や健康面での不安がないこと、長く働き続けたいという意欲も重要なアピールポイントになります。
具体的なエピソードを交える:
強みだけではありません。
「〇〇の経験で△△という状況を経験し、◇◇することで解決しました」のように、具体的なエピソードを交えると説得力が増します。
例文(ポイント):
「これまでの〇〇年間、△△(職種/業界)にて幅広く業務に携わってまいりました。特に、◇◇の部署ではチームリーダーとしてメンバーをまとめ、目標達成に貢献した経験がございます。この経験で培ったコミュニケーション能力と、臨機応変に対応する力を活かし、貴社の業務に貢献できると考えております。定年後も毎日規則正しく生活し、健康維持に努めており、働くことへの意欲は十分にございます。これまでの経験を活かしつつ、新しい知識も積極的に吸収する柔軟性を持って業務に取り組んでまいります。」
本人希望記入欄
原則として、譲れない条件のみを記入します。
特に希望がない場合は「貴社規定に従います」と記入します。
「パート 履歴書 定年後」「短時間 履歴書」など、勤務時間や日数が重要な場合は具体的に記入します(例:「週3日程度の勤務を希望します」「午前中のみの勤務を希望します」)。
その他、勤務地や扶養の範囲内での勤務など、絶対に必要な条件があれば記入します。
ただし、あまり多くの条件を書きすぎると、採用側にとって扱いづらい印象を与えてしまう可能性があります。
職務経歴書は必要? 長いキャリアの伝え方
「 職務経歴書」について疑問を持つ方もいるでしょう。
結論から言うと、職務経歴書は提出することを強くおすすめします。
履歴書だけでは限られたスペースであなたのキャリア全てを伝えることは難しいです。
- 職務経歴書を作成することで、
- これまでの経験やスキル
実績
をより具体的に、そして応募職種との関連性を意識して詳細に伝えることができます。
記載内容:
職務経歴の概要: どのような会社で、どのような仕事に何年くらい携わってきたかを簡潔にまとめます。
詳細な職務経歴:
会社ごとの
- 所属部署
- 役職
- 具体的な業務内容
- そこでどのような成果を上げたのか
を具体的に記述します。
定量的な数値(売上〇%向上、コスト〇円削減など)があると説得力が増します。
活かせる知識・スキル:
これまで培ってきた専門知識
- PCスキル
- 語学力
- マネジメント経験
- 特定の技術
などをまとめます。
自己PR: 履歴書よりもさらに詳しく、あなたの強みや仕事への取り組み方を具体例と共にアピールします。
定年後の職務経歴書のポイント:
長いキャリアを全て羅列する必要はありません。
- 応募する仕事に最も関連性の高い経験
- シニアならではの強み(課題解決能力、指導力など)
を示すエピソードを重点的に記述しましょう。
定年退職した事実は、職務経歴の最後の会社名のところに「定年により退職」と記載します。
定年後の履歴書で避けるべきこと
せっかく丁寧に作成しても、避けるべき点があります。
誤字脱字: 基本中の基本ですが、信頼性を損ないます。必ず複数回確認しましょう。
空欄が多い: 書けることがないと思われてしまいます。志望動機や自己PRはしっかり記入しましょう。
ネガティブな退職理由や前職の批判: マイナス評価にしかなりません。
給与や休日など条件面ばかりを強調: 働く意欲よりも条件重視の印象を与えます。希望は本人希望欄に簡潔に。
過度な謙遜や年齢への卑下: 「年ですが頑張ります」ではなく、「経験を活かして貢献します」と前向きにアピールしましょう。
定年後の履歴書作成は、これまでのあなたのキャリアを振り返りましょう。
新たな自分を発見する機会でもあります。
ポイントは、長い職歴の中から応募職種に活かせる経験やスキルを厳選しましょう。
働く「意欲」と「貢献意欲」、そしてシニアならではの「信頼性」「責任感」を明確に伝えることです。
履歴書と職務経歴書を効果的に活用しましょう。
あなたの魅力を最大限にアピールしましょう。
作成は、決して難しいことではありません。
これまでの豊富な経験は、若い世代にはないあなただけの強みです。
自信を持って、あなたの「これまで」を「これから」に繋げる素晴らしい履歴書を作成してください。
あなたの新たな挑戦を応援しています!