残業過多を理由に転職したいあなたへ|面接での効果的な伝え方と例文集
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毎日遅くまで仕事…体力も精神も限界…。
「今の会社、残業が多すぎる。もう無理だ…」
もしあなたが今、過度な残業に悩み、転職を考えているなら、その気持ち、とてもよく分かります。
でも、
- 「残業が多いから辞めたい」という理由を面接で正直に伝えても大丈夫?
- ネガティブな印象にならないか不安
と感じていませんか?
安心してください。
残業が多いことを転職理由にするのは、決して珍しいことではありません。
そして、伝え方次第で面接官に納得してもらい、むしろあなたの「前向きな姿勢」や「キャリアへの真剣さ」をアピールすることさえ可能です。
今回の記事では、「残業が多い」を理由に転職を成功させるための、
- 面接での具体的な伝え方
- 履歴書・職務経歴書での書き方
- そしてあなたの状況に合わせたポジティブな変換方法
を、例文を交えてわかりやすく解説します。
- 「転職理由は残業が多いで良いの?伝え方は?」
- 「転職理由は残業が多いからと面接で言っても大丈夫?」
- 「転職理由は残業が多いってネガティブにならない?」
といった、あなたが知りたい情報を網羅しています。
読み終える頃には、自信を持って次のステップに進むためのヒントが見つかるはずです。
ぜひ最後までお読みください。
「残業が多い」を転職理由にするのはアリ?面接官の本音とは
「残業が多い」という理由だけで転職するのは、なんとなくネガティブな印象を与えそうで心配…そう考えていませんか?
結論から言うと、残業の多さを転職理由にすること自体は全く問題ありません。
多くの企業も、労働時間の長さが従業員のパフォーマンスや定着率に影響することを理解しています。
私も10年以上面接官をやってきましたが、異業種転職を希望される方の中には、大勢いらっしゃいました。
しかし、面接官が知りたいのは、単に「残業が多いのが嫌だ」という事実だけではありません。
彼らは以下の点を確認したいと考えています。
残業が多いことで、あなたは何に困っていたのか?
(例:体調を崩した、スキルアップの時間が取れなかった、家族との時間が持てなかったなど)
- なぜ、次の会社でならその問題が解決できると考えるのか?
- 入社後に、同じ理由でまた辞めてしまわないか?
- 残業が減ることで、会社にどのように貢献してくれるのか?
つまり、重要なのは「残業が多い」という事実そのものよりも、
残業が多い状況であなたがどのように感じ、考え、そして今後のキャリアをどうしていきたいのか
この答えを論理的に、そして前向きに伝えることです。
【重要】「残業が多い」転職理由をネガティブにしないための伝え方
残業の多さを転職理由にする際に、最も避けるべきは「前職への不満や愚痴」のように聞こえてしまうことです。
「残業が多くて辛かった」
「会社が何も対策してくれない」
といった伝え方では、他責思考で環境の変化に対応できない人材だと判断されてしまう可能性があります。
ポジティブな印象を与えるためには、以下の点を意識しましょう。
残業が多い「結果」、何が実現できなかったのかを具体的に伝える
例:「残業時間が長く、新しい技術を学ぶ時間が十分に取れませんでした。」
例:「ワークライフバランスが取れず、体調管理が難しくなっていました。」
例:「定時以降の業務が多く、企画業務など、より創造的な仕事に集中できませんでした。」
次に挑戦したいこと、キャリアプランと結びつける
例:「〇〇のスキルを習得し、将来的にはマネジメントにも挑戦したいと考えていますが、前職では時間的な制約から難しいため、時間管理を徹底し、社員の成長を支援する貴社でなら実現できると考えました。」
例:「御社の〇〇という事業に強い関心があり、これまでの経験を活かして貢献したいと考えております。前職では長時間労働により業務効率化や新しい企画にじっくり取り組むことが難しかったため、より生産性の高い環境で自身の能力を発揮したいと考えております。」
応募企業への志望動機と連携させる
単に「残業が少ないから」ではありません。
「御社の△△という働き方(または制度、文化)に魅力を感じており、そこでなら自身のパフォーマンスを最大限に発揮し、貢献できると考えております。」
のように、応募企業の魅力と結びつけて伝えましょう。
面接での効果的な伝え方【そのまま使える例文あり】
面接で「転職理由」を聞かれた際は、以下の構成で答えるのがおすすめです。
- 前職での経験や学びを簡潔に述べる
- 残業が多い状況であったことを伝える(具体的な数字を交えるとより説得力が増す場合も)
- 残業が多いことで「何ができなかったのか」「どのような課題を感じていたのか」を具体的に述べる
- その課題を解決し、次に挑戦したいことやキャリアプランを明確に伝える
- なぜ応募企業でならそれが実現できるのか、企業の魅力と結びつけて話す
例文1:スキルアップの時間を確保したい場合
「前職では〇年間、〇〇の業務に携わり、△△に関する知識とスキルを習得いたしました。大変やりがいを感じていた一方で、恒常的に残業時間が月に〇〇時間程度あり、業務時間外に新しい技術や知識をインプットする時間を十分に確保することが難しい状況でした。私は将来的に〇〇分野の専門性を高めたいと考えており、自己研鑽の時間を確保できる環境で、より深く学び、業務に還元していきたいと考えております。御社は社員のスキルアップ支援制度が充実しており、柔軟な働き方を推奨されていると伺っております。このような環境でなら、自身の成長スピードを加速させ、早期に戦力として貢献できると考え、志望いたしました。」
例文2:ワークライフバランスを改善したい場合
「前職では□□のプロジェクトに〇年間従事し、チームで目標を達成するやりがいを感じておりました。しかしながら、業務量が非常に多く、連日深夜までの残業が続き、体調を崩してしまうこともございました。長期的なキャリアを考えた際に、健康的に働き続けるためにはワークライフバランスの改善が不可欠であると痛感いたしました。御社は社員の健康を第一に考え、効率的な働き方を推進されていると伺っており、大変共感しております。これまでの経験で培った課題解決能力を活かし、生産性高く業務を進めることで、チームに貢献できると考えております。」
例文3:サービス残業が常態化している場合
「前職では、業務量に対して人員が十分ではなく、事実上のサービス残業が常態化しておりました。(※具体的な時間を伝える場合は「月に平均〇〇時間程度」のように表現)私自身は仕事に真摯に取り組む姿勢を持っておりますが、このような環境では社員のモチベーション維持や、適正な評価が難しいと感じておりました。私は、労働時間に対する意識が高く、成果を正当に評価する文化を持つ企業で、自身のパフォーマンスを最大限に発揮したいと考えております。御社では〇〇の評価制度を導入されており、社員一人ひとりの貢献をしっかりと評価されると伺っております。このような環境で、自身の力を存分に発揮し、事業成長に貢献したいと考えております。」
【重要】サービス残業の場合の伝え方
サービス残業は違法性が伴うため、伝え方には特に注意が必要です。
感情的にならず、事実を客観的に伝えることを心がけましょう。
「サービス残業をさせられていた」という被害者のような言い方は避けましょう。
「適切な評価や労働時間管理がなされていなかったため、自身のキャリア形成に課題を感じた」
このように、あくまで自身の成長やキャリアにフォーカスした伝え方が望ましいです。
履歴書・職務経歴書での書き方
履歴書や職務経歴書でも、面接で話す内容と同様です。
残業が多い「結果」、何ができなかったのか、そして次にどうしたいのかを簡潔に記載します。
履歴書(志望動機欄など)
「前職では業務時間外の自己研鑽が困難な状況でしたが、より専門性を高めるため、時間管理を徹底し、社員の成長を支援する貴社でスキルアップを目指したいと考えております。」
このように、ポジティブな言葉に置き換えて記載します。
職務経歴書
残業時間が恒常的に長かった事実を記載する必要はありません。
それよりも、前職でどのような業務に携わり、どのような成果を出したのかを具体的に記載することに注力しましょう。
もし残業が多いことで特定の業務に支障が出ていた場合。
「時間的な制約により、〇〇(例:新しい企画の立案)に十分に取り組むことができませんでしたが、その中でも△△(例:業務効率化の工夫)を行い、生産性向上に努めました。」
このように、課題意識とそれに対する行動を示す形で記載することも可能です。
残業以外の転職理由と組み合わせる重要性
残業の多さだけを転職理由にすると、
「働く意欲が低いのでは?」
「楽な環境を求めているだけでは?」
と誤解される可能性もゼロではありません。
そのため、残業以外の転職理由と組み合わせて伝えることが有効です。
例えば、以下のような理由と組み合わせることで、より前向きで納得感のある転職理由になります。
キャリアアップ・スキルアップ
「残業が多く、新しい分野のスキルを習得する時間が取れなかったため、〇〇のスキルを磨ける環境に移りたい」
事業内容・企業文化への共感
「長時間労働が常態化しており、自身の目指す働き方とのギャップを感じていた。
御社の△△という事業内容に魅力を感じており、◇◇という企業文化の中で自身の力を発揮したい」
正当な評価
「残業時間ではなく、成果で評価される環境で働きたい」
これらの理由と組み合わせることで、あなたのキャリアに対する真剣さや、応募企業で働くことへの強い意欲を伝えることができます。
第二新卒が「残業が多い」を転職理由にする場合の注意点
第二新卒の場合、短期間での転職となるため、「またすぐに辞めてしまうのでは?」という懸念を抱かれやすい傾向があります。
残業の多さを理由にする場合、以下の点を特に意識しましょう。
なぜ入社前に残業の多さに気づけなかったのかを説明できるようにする
入社前の情報収集不足を正直に認めつつ、「働く中で、自身のキャリアプランを実現するためには、より時間管理が徹底された環境が必要だと痛感した」のように、経験を通じて得た学びとして伝える。
今回の転職で、どのような環境でどのように成長したいのかを具体的に伝える
残業が少ないこと自体が目的ではなく、その環境で何を実現したいのかを明確に示す。
「甘え」ではないことを伝える
成長意欲や仕事へのコミットメントは高いことを、これまでの経験や具体的なエピソードを交えて伝える。
転職活動前に知っておきたい!残業時間に関する基礎知識
自身の残業時間が「多い」と感じていても、客観的に見てどうなのか気になる方もいるでしょう。
日本の平均残業時間に関する情報を把握しておくと、自身の状況を説明する際の補強材料となる場合もあります。
(ただし、平均より多くても少なくても、それが転職理由の本質ではありません。)
厚生労働省の毎月勤労統計調査などでは、産業別の所定外労働時間(残業時間)の平均が公表されています。
自身の業界や職種の平均と比較してみるのも良いでしょう。
【注意】 平均残業時間を伝える際は、「日本の平均と比較しても、前職の残業時間は〇〇でした」のように、客観的な事実として淡々と伝えるようにしましょう。
感情的になったり、「こんなに多いのはおかしい!」といった主張にならないように注意が必要です。
転職後に「残業が多すぎる」と後悔しないために
せっかく転職しても、再び残業の多さに悩むのは避けたいですよね。
転職活動中に、応募企業の残業状況や働き方についてしっかり情報収集することが重要です。
企業の口コミサイトを確認する
実際に働いている社員や元社員の生の声を知ることができます。
ただし、情報は鵜呑みにせず、複数の情報を参考にしましょう。
面接で逆質問をする
「社員の方々の平均的な退社時間はどれくらいでしょうか?」
「繁忙期と閑散期で残業時間に差はありますか?」
「業務効率化のためにどのような取り組みをされていますか?」
など、具体的な質問をしてみましょう。
企業のIR情報や採用ページを確認する
働き方改革への取り組みや、社員のワークライフバランスに関する記述がないか確認します。
社員訪問(OB/OG訪問)をする
可能であれば、実際に働く社員に直接話を聞く機会を設けてもらいましょう。
これらの方法を通じて、企業の実際の働き方に関する情報をできる限り集めましょう。
自身の希望と合っているか見極めることが重要です。
「残業が多い」を成長への一歩に変える転職活動を!
「残業が多い」という転職理由は、決してネガティブなものではありません。
大切なのは、その状況から何を学び、次にどう活かしたいのかを、論理的かつ前向きに伝えることです。
この記事でご紹介した伝え方や例文を参考に、あなたの経験をポジティブに変換してください。
面接官に納得してもらえるように準備を進めましょう。
そして、しっかりと情報収集を行いましょう。
あなたにとって本当に働きやすい環境を見つけてください。
- 過度な残業から解放されたい
- あなたの持つ能力を最大限に発揮できる職場を見つけたい
- 充実したキャリアを築きたい
こんな願いが実現するよう応援しています!
参考資料