Slackで勤怠管理を自作する方法と無料ツールの比較
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Slackを最大限に活用して、手間のかかる勤怠管理を効率化したいと考えているのではないでしょうか。
今回の記事では、
Slackの機能を活用して勤怠管理システムを自作する方法
無料で利用できる外部の勤怠管理ツール
についてわかりやすく解説します。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討します。
あなたのチームに最適な方法を見つけましょう。
なぜSlackで勤怠管理をしたいのか?
多くの企業やチームが日々のコミュニケーションの中心ツールとしてSlackを活用しています。
そのため、勤怠管理もSlack上で完結できれば、以下のようなメリットが期待できます。
効率的な働き方を実現できる可能性があります。
Slackを既に導入している企業にとってのメリット
ツールの統合による利便性向上
複数のツールを使い分ける手間が省けます。
Slack一つでコミュニケーションと勤怠管理の両方を行えます。
従業員は新しいツールを覚える必要がなく、スムーズに導入できます。
通知の一元化
出退勤の打刻漏れや申請に関する通知などをSlack上で受け取れます。
重要な情報を見逃しにくくなります。
リアルタイムな状況把握
チームメンバーの出勤状況や休憩状況などをSlack上で手軽に確認できます。
- 誰が対応可能か
- 誰が休憩中か
などを把握しやすくなります。
ワークフローとの連携
Slackのワークフロー機能と組み合わせることで、出退勤の記録だけではありません。
- 休暇申請
- 残業申請
などの手続きもSlack内で完結させることができます。
親しみやすいインターフェース
多くの従業員が既にSlackの操作に慣れている場合。
新しい勤怠管理システムに対する抵抗感を減らすことができます。
勤怠管理における課題
従来の勤怠管理方法には、以下のような課題が存在します。
手作業の煩雑さ
紙やExcelなどを使った手作業での勤怠管理は、集計ミスや記入漏れが発生しやすいです。
担当者の負担も大きくなります。
集計ミスのリスク
手入力による集計作業は、人的ミスが発生する可能性があります。
正確な勤怠管理が難しくなることがあります。
コスト: 専用の勤怠管理システムを導入・運用するには、費用がかかる場合があります。
特に中小企業やスタートアップにとっては、コストが大きな負担となることもあります。
情報の分散
コミュニケーションはSlackで行っているのに、勤怠管理は別のシステムで行っている場合。
情報が分散してしまいます。
管理が煩雑になることがあります。
Slackで勤怠管理を行うことで、これらの課題を解決し、より効率的で正確な勤怠管理を実現できる可能性があります。
特に、既にSlackを日常的に利用しているチームにとっては、導入のハードルが低いです。
スムーズに移行できると考えられます。
Slackで勤怠管理を自作する方法
ここでは、Slackの機能を活用して、基本的な勤怠管理システムを自作する方法をいくつかご紹介します。
基本的な考え方
Slackで勤怠管理を自作する場合、主に以下のいずれか、または組み合わせた方法が考えられます。
ワークフロービルダーの活用
Slackの標準機能であるワークフロービルダーを使います。
- 出退勤の打刻
- 休憩時間の記録
を行うシンプルな仕組みを作る。
チャンネルとリアクションの活用
- 専用チャンネルで出退勤を報告する
- 特定の絵文字で記録する
外部ツールとの連携
- SlackのAPI
- Zapier
- IFTTT
などの連携サービスを利用して、Google スプレッドシートなどの外部ツールに出退勤データを記録・集計する。
具体的な方法
ワークフロービルダーの活用
プログラミングの知識がなくても、比較的簡単に勤怠管理の仕組みを作ることができます。
基本的な流れ
- 出勤・退勤ボタンの作成: ワークフロービルダーで、「出勤」「退勤」などのボタンを含むメッセージを作成します。
- タイムスタンプの記録: ボタンが押された際に、実行者のユーザー名とタイムスタンプを記録するステップを追加します。
- 特定チャンネルへの投稿: 記録したユーザー名とタイムスタンプを指定したチャンネルに投稿するステップを追加します。
簡単な設定例
- ワークフロービルダーを開き、「作成」をクリック。
- トリガーとして「ショートカット」または「メッセージアクション」を選択し、「出勤」という名前のショートカットを作成します。
- ステップを追加し、「メッセージを送信」を選択。送信先チャンネルとメッセージ内容(例:「<@{{ユーザーID}}> が出勤しました ({{タイムスタンプ}})」)を設定します。
- 同様に、「退勤」用のショートカットとワークフローを作成します。
応用:
- 休憩開始・終了ボタンを追加する。
- フォーム機能を利用して、業務内容などを合わせて記録する。
- ZapierやIFTTTと連携して、記録されたデータをGoogle スプレッドシートに自動的に保存する。
チャンネルとリアクションの活用
よりシンプルな方法として、専用チャンネルで出退勤を報告してもらう方法があります。
基本的な流れ:
- 「#勤怠管理」のような専用チャンネルを作成します。
- 従業員に、出勤時に「出勤」、退勤時に「退勤」と投稿してもらうルールを設けます。
- (応用)特定の絵文字(例:「:出勤:」「:退勤:」など)をリアクションとして利用してもらうルールにする。
メリット: 設定が非常に簡単ですぐに始められます。
デメリット:
- 手入力のため、ミスが発生しやすい。
- 集計作業は手動で行う必要がある。
- タイムスタンプの記録が投稿時間に依存するため、正確性に欠ける場合がある。
外部ツールとの連携
より本格的な勤怠管理を行いたい場合は、Slackと外部ツールを連携させる方法が考えられます。
基本的な流れ:
- SlackのワークフロービルダーやAPIを利用して、出退勤の情報をトリガーとして外部ツールに送信する設定を行います。
- Google スプレッドシートなどのスプレッドシートツールや、より高度な勤怠管理SaaSと連携します。
- 連携した外部ツール上で、データの集計や管理を行います。
例:Zapierを使ったGoogle スプレッドシートとの連携
- Slackで出勤・退勤を記録するワークフローを作成します(上記2.1参照)。
- ZapierでSlackの新しいメッセージをトリガーに設定します。
- アクションとしてGoogle スプレッドシートの新しい行を作成する設定を行い、ユーザー名とタイムスタンプを記録するようにマッピングします。
メリット:
- より詳細な勤怠データの記録や集計が可能になる。
- 既存の使い慣れたツールを活用できる場合がある。
デメリット:
- Zapierなどの外部ツールの利用に費用がかかる場合がある。
- 設定にやや専門知識が必要となる場合がある。
自作するメリット
カスタマイズ性が高い
自社の運用ルールに合わせて柔軟に設定できます。
既存のSlack環境をそのまま利用できる
新しいツールを導入する手間やコストを抑えられます。
無料(Slackの無料プランの範囲内であれば)
基本的な機能であれば、追加費用なしで実現可能です。
自作するデメリット
機能が限定的になりやすい
複雑な勤怠ルール(休暇管理、残業管理など)に対応するには限界があります。
設定やメンテナンスに手間がかかる
特に高度な連携を行う場合は、ある程度の知識や時間が必要です。
法的な要件への対応は自己責任
労働時間や休憩時間など、関連法規に準拠した設定を自分で行う必要があります。
従業員規模が大きくなると管理が煩雑になる可能性
特に手動での集計を行う場合は、規模が大きくなると管理が難しくなります。
Slackで勤怠管理を無料で行う方法(外部ツールの活用)
Slackには、外部のアプリケーションと連携する機能が豊富に用意されています。
この機能を利用すれば、無料で、または無料プランのある勤怠管理ツールをSlackに導入できます。
勤怠管理を行うことができます。
Slack App Directoryを活用する
Slack App Directoryは、Slackと連携できる様々なアプリケーションが公開されている場所です。
ここから
- 「勤怠管理」
- 「Time Tracking」
といったキーワードで検索することで、無料で利用できます。
または無料プランが用意されている勤怠管理ツールを見つけることができます。
Slack App Directoryでの探し方
- Slackのデスクトップアプリまたはブラウザ版を開きます。
- 左側のサイドバーにあるワークスペース名をクリックします。
- メニューから「App」を選択します。
- App Directoryが開いたら、検索バーに「勤怠管理」や「Time Tracking」と入力して検索します。
- 検索結果から、無料または無料プランがあるツールを探します。ツールの詳細ページで料金プランを確認しましょう。
無料の勤怠管理ツールの種類(例)
Slack App Directoryには、様々な種類の勤怠管理ツールがあります。
無料または無料プランで利用できるものとしては、以下のようなものが挙げられます。
- シンプルな打刻ツール: 出勤・退勤の時間を記録する基本的な機能に特化したツール。
- プロジェクトごとの時間管理ツール: どのプロジェクトにどれくらいの時間を費やしたかを記録できるツール(勤怠管理にも応用可能)。
- 休暇申請・承認ワークフロー機能付きツール: 休暇の申請や承認をSlack上で行える機能を持つツール(一部無料プランで利用可能)。
注意点: 無料プランの場合、利用できる人数や機能に制限がある場合があります。チームの規模や必要な機能に合わせて、最適なツールを選ぶようにしましょう。
無料ツールを選ぶ際のポイント
無料で利用できる勤怠管理ツールを選ぶ際には、以下の点に注意すると良いでしょう。
必要な機能が揃っているか
- 出退勤の記録
- 休憩時間の管理
- 簡単なレポート機能
など、チームに必要な機能が無料プランで利用できるか確認しましょう。
利用人数制限
無料プランには、利用できるユーザー数に制限がある場合があります。
チームの人数を超過していないか確認しましょう。
機能制限
無料プランでは、高度な機能(例:詳細なレポート、シフト管理、有給休暇管理など)が利用できない場合があります。
データの保存期間
無料プランの場合、データの保存期間に制限があることがあります。
セキュリティ
勤怠情報は重要な個人情報です。
ツールのセキュリティ対策がしっかりと行われているか確認しましょう。
サポート体制
無料プランでは、サポート体制が限定的な場合があります。
Slackへの連携方法(一般的な手順)
Slack App Directoryからインストールする場合、通常は以下の手順で連携が完了します。
- Slack App Directoryで利用したい勤怠管理ツールを見つけ、「Slackに追加」ボタンをクリックします。
- ツールのアクセス許可(どの情報にアクセスするかなど)を確認し、「許可する」をクリックします。
- ツールによっては、Slack内での初期設定が必要な場合があります。ツールの指示に従って設定を行いましょう。
- 連携が完了すると、Slack内でツールのコマンド(例:
/出勤
、/退勤
)を入力したり、専用のタブが表示されたりして、勤怠管理機能を利用できるようになります。
例:シンプルな打刻ツールの使い方
無料のシンプルな打刻ツールを導入した場合。
- Slackのメッセージ入力欄に
/出勤
と入力して送信するだけで出勤時間が記録される /退勤
で退勤時間が記録される
ものが多くあります。
Slack App Directoryを活用すれば、無料で利用できる、または無料プランのある勤怠管理ツールを見つけることができます。
チームの規模や必要な機能に合わせて、最適なツールを探してみてください。
ただし、無料プランには機能制限や利用人数制限がある場合があります。
事前にしっかりと確認することが重要です。
Slackで勤怠管理を行う上での注意点
データの正確性
打刻忘れや誤りの防止策
プライバシーへの配慮
勤怠データの取り扱いについて
法的な要件の確認
労働時間や休憩時間など、関連法規を遵守する
チームへの周知とルール作り
運用方法を明確にしましょう。
メンバーに周知しましょう。
自作 vs 無料ツール:どちらを選ぶべきか?
- 小規模なチームやシンプルな運用を希望する場合: 自作の検討
- 多機能な管理や複雑なルールに対応したい場合: 無料ツールの検討
- まずは無料で試したい場合: 無料ツールの導入から検討
- カスタマイズ性を重視する場合: 自作の検討(ただし、技術的な知識が必要な場合あり)
どちらの方法を選ぶかは、
- チームの規模
- 必要な機能
- 技術的な知識
- コスト
などの様々な要因によって異なります。
まずは、この記事でご紹介した情報を参考に、それぞれのメリット・デメリットを比較検討しましょう。
あなたのチームにとって最適な勤怠管理方法を見つけてください。
Slackを効果的に活用することで、勤怠管理の効率化だけではありません。
チーム全体の生産性向上にも繋がるはずです。